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石垣島のゴルフ場再開発をどう考えるか?

石垣島のゴルフ場再開発をどう考えるか?
おーりとーり、八重山HUBレンタカーのマツイです。
今日は禁断の?領域に足を踏み入れてみて
郷土愛や再開発の戦略的な位置づけ、
そして「そもそも美しい選択とは何か」
みたいなことを書いてみたいと思います。
目次
再開発計画
石垣島で進むゴルフ場付きリゾート施設の再開発計画が、改めて注目を集めています。
計画は仮称「石垣リゾート&コミュニティ」で、面積は約127.4ヘクタール、
チャンピオンコースのゴルフ場に加え、総客室数約500のホテル6棟、ヴィラ58戸、
クラブハウスなどの整備が報じられています。
県が2025年5月7日付で開発許可と農地転用許可を出したとされ、着工時期は未定です。
筆者は、過度な再開発には慎重な立場です。
古き良き街並みや風景が一定残ることが、郷土愛を薄れさせないことにつながり、
結果としてそれが地方創生の原動力になると信じているからです。
とはいえ、「反対」を正面から掲げると、
賛否の対立を深め、分断を煽ってしまうことがあります。
そこで本稿では、賛成・反対の感情論に寄りかかるのではなく、
石垣島の地理的特性、日本における戦略的位置づけ、日本的美意識、
そして合意形成の難しさを含めて、多面的に考えてみます。
リゾート以上の価値
石垣島は「美しい海がある観光地」という顔を持ちながら、
同時に日本列島の最南西部に位置する「境界の島」でもあります。
台湾にも近く、東シナ海と太平洋が接する海域に浮かぶこの島は、
歴史的にも文化的にも、単純に「本土の延長」として語りきれない厚みを持っています。
この「境界」という特性は、石垣島の魅力でもあり、難しさでもあるのではないでしょうか。
外から見れば投資の余地が大きい。
内から見れば暮らしの連続性が大切。
どちらも事実で、だからこそ議論が噛み合いにくいのだと思います。
郷土愛
石垣島を語るとき、安全保障や海洋の話題を避けて通ることは難しくなっています。
しかし重要なのは、議論を軍事や政治に回収することではありません。
私はむしろ、地域の文化と誇りが残る土地は、簡単には「空洞化」しないという点に注目したいです。
目に見える施設や道路だけが地域を支えるわけではありません。
そこで暮らす人が「ここが好きだ」と言える風景や記憶の層があってこそ、
人は地域に根を張り、外からの変化に対しても主体的に向き合えます。
郷土愛は、最も静かでありながら、長期的には最も強い「地域の免疫機能」になり得ると考えています。
逆に言えば、外部資本の論理によって島の景観や暮らしが急速に均質化し、
「どこにでもある南国リゾート」に近づくほど、地域の誇りは薄まりやすい。
これは誰かを責める話ではなく、構造として起こり得るリスクです。
制度上の特例が意味するもの
今回の計画は、農地を含む大規模な用地転用が焦点の一つでした。
報道では、通常は困難な大規模農地転用について、
民間企業(㈱ユニマットプレシャス)・市・県が地域投資未来法(地域未来投資促進法)の適用を受け、
特例的に手続きを進めたとされています。
ここは賛否が割れやすい論点です。
推進側から見れば「地域の起爆剤のために制度を活用した」という話になります。
一方、慎重派から見れば「特例によって、慎重さが置き去りになっていないか」という疑念が生まれます。
制度は悪でも正義でもなく、使い方が問われます。
特に離島のように自然資本が地域の競争力そのものになっている場所では、
制度を使った「速度」と、本来的に大事にしたい民意としての「時間」、
このズレが大きいために、問題化しやすいのだと思います。
経済効果の議論
石垣市側は、ゴルフ場建設による経済波及効果について、
2021年7月時点の試算として約241億円~270億円を見込むと報じられています。
これは決して小さな数字ではなく、観光が基幹産業である以上、期待が集まるのは自然です。
ただ、経済効果は
「何が、誰に、どれだけ残るのか」を分解して語らないと、議論が雑になります。
たとえば、
- 地元雇用はどの職種が中心になるのか
- 利益の多くは島内循環するのか、島外へ流出するのか
- 地価上昇や生活コスト上昇が、住民の暮らしにどう跳ね返るのか
こうした点は、賛成・反対以前に、地域の意思決定として丁寧に扱うべきテーマです。

環境・水・生態系という土台の話
この計画については、名蔵アンパル(ラムサール条約湿地)の上流域に位置すること、
カンムリワシなど希少種の生息地であること、
地下水利用や農薬・赤土流出などの影響が懸念されることが、環境団体等から繰り返し指摘されています。
ここで大事なのは、
「自然保護を掲げれば正しい」
「経済を掲げれば現実的」
という単純な対立にしないことです。
石垣島の場合、自然は「きれいだから守る」だけではなく、
観光価値・農業・漁業・水資源・暮らしの快適さ、そのすべての土台だということ。
つまり環境配慮は、きれいごとではなく大前提なのです。
市長が
「自然環境に配慮した開発がなされるよう事業者と連携する」
「反対の声も聞きながら危惧が解消できるように」
と述べたと報じられている点は、合意形成の入口として重要だと思います。
ただし、その言葉を実効性のある仕組みに落とし込めるかどうかが、今後の焦点になります。
調査、モニタリング、情報公開、第三者性、事後の是正措置等々、
「配慮」はスローガンではなく具体的な運用設計で示す必要があります。
市有地問題が示す「信頼」の論点
この計画をめぐっては、市有地の提供・譲渡(交換)を巡る動きが争点になったとも報じられています。
沖縄タイムスは、住民訴訟で那覇地裁の勧告を受け、石垣市が㈱ユニマットプレシャスへの市有地譲渡を取りやめたと伝えています。
ここで大事なのは、「市有地が何平方メートルか」という量の問題ではなく、
「意思決定の正当性がどう担保されたのか」という信頼の話です。
開発は、経済と環境のバランスだけではなく、
行政手続き・情報公開・住民参加の設計によっても、評価が大きく変わります。
プロセスが疑われると、内容が良くても支持を得にくい。
逆に、プロセスが丁寧なら、対立していても対話が成立しやすい。
これはあらゆる地域開発に共通する鉄則だと思います。
日本的美意識
私はこの議論に、日本的美意識の観点を入れたいと考えます。
日本文化には、余白、引き算、未完成の美があります。
すべてを埋め尽くさないからこそ、土地の表情が残り、故郷や郷土という言葉が宿ります。
開発が「豪華で便利」であるほど良い、とは限りません。
むしろ、石垣島の価値は「足し算」の派手さより、
「その土地のリズムを壊さない」という慎みの中にあるのではないでしょうか。
ゴルフ場が悪いのではありません。
問うべきなのは、その設計・運用が、島と集落のリズムに調和しているか、
そして島の未来に対して品格あるデザインになっているか、です。
分断を避けるために
賛成派も慎重派も、根底には「石垣島を良くしたい」という思いがあるはずです。
だからこそ私は、結論を急がず、論点を分解し、問いを共有することが大切だと考えます。
たとえば、次の問いは立場を超えて共有できるはずです。
- この開発で増える価値は、島内にどれだけ残るか
- 水資源(地下水・河川)への影響は、誰がどの方法で長期監視するか
- 希少種や湿地水系への影響について、第三者性のある評価や情報公開は十分か
- 観光の「量」ではなく「質」を上げる設計になっているか
- 行政の意思決定は透明で、納得可能なプロセスになっているか
これらの問いを戦いの道具にせず、丁寧に扱うことが、
結果として地域の成熟につながると思います。
おわりに
再開発計画に必要なのは「勝ち負け」ではなく「美しい選択」です
石垣島はこれからも変わっていくでしょう。
変化を止めることはできませんし、止めること自体が必ずしも善でもありません。
大切なのは、「何を残し、どう変わるか」です。
私は、古き良き街並みや風景が一定残ることが、
郷土愛を守り、地方創生の原動力になると考えています。
その立場から言えば、過度な再開発には慎重でありたい。
しかし同時に、地域の経済や雇用の現実を無視してよいとも思いません。
だからこそ、私たちは今、開発の是非を叫ぶ前に、
開発と文化、暮らしと自然、そして対話プロセスの調和を問われています。
石垣島が「どこにでもある場所」ではなく、石垣島として在り続けるために。
勝ち負けではなく、未来世代に手渡せる「美しい選択」を、対話でつくっていけるかどうか。
これこそが本質なのではないでしょうか。
石垣島に訪れる方々が、旅本来の価値を高めていただけるように。
私たち石垣島レンタカーInformationは
地元のレンタカー事業者の仲間で
そんなことを探求しています。


