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石垣島と台風(石垣島を襲ったデカい台風たち)

おーりとーり、八重山HUBレンタカーのマツイです。
今日は台風のお話。
石垣島に暮らす人々にとって、
台風は毎年必ず顔を出す「招かれざる常連客」と言えます。
暴風雨は確かに生活を揺さぶるわけですが、
同時に地域の文化や知恵も形成してきました。
本ブログでは、2015年以降に大きな影響を与えた5つの台風を整理し、
とりわけ被害の大きかった2015年の台風15号Goniを中心に振り返ります。
石垣島を襲った主な台風(2015〜2023)
年 | 台風号数/名称 | 主な被害 |
---|---|---|
2015 | 台風15号 Goni(ゴニ) | 瞬間風速71m/s。車横転、ホテル被害、約22,600戸停電。近年最強クラス。 |
2018 | 台風8号 Maria(マリア) | 農作物被害総額1.4億円超。サトウキビ・パインが壊滅的打撃。 |
2019 | 台風18号 Mitag(ミートク) | 光ケーブル断線で通信不通。公共サービス・空港業務にも影響。 |
2021 | 台風14号 Chanthu(燦都/チャントゥー) | 停電1,500戸超。台風対策中の転落事故で重傷者。 |
2023 | 台風6号 Khanun(カーヌン) | 約2,500戸停電、信号停止。観光客の足止めなど社会的影響大。 |
コラム:台風の名前はこうして決まる
私たちが普段耳にする「台風◯号」。
しかし世界的には、台風には一つひとつユニークな名前が付けられています。
これを決めているのが「台風委員会(Typhoon Committee)」という国際機関です。
台風委員会は、アジア太平洋の14の国と地域
(日本、中国、韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、アメリカなど)が加盟する組織で、
防災協力や気象情報の共有を目的に活動しています。
その組織で「台風の名前リスト」を管理しており、
各国が10個ずつ候補を提出し、合計140個の名前が順番に使われます。
名前の由来は実に多彩です。
- Goni(ゴニ)=韓国語で「白鳥」
- Maria(マリア)=アメリカが提出した女性名
- Mitag(ミートク) =ミクロネシアが出した女性名
- Chanthu(燦都/チャントゥー)=カンボジア語で「花」
- Khanun(カーヌン)=タイ語で「ジャックフルーツ」
台風が発生すると、このリストから順番に名前が付与され、
140個使い切るとまた最初に戻ります。
つまり、同じ名前が数年後に再び登場することもあるのです。
なんだか落語家や歌舞伎の襲名みたいですよね。
ただし、甚大な被害をもたらした台風名は「引退」となり、
二度と使われることはありません。
代わりに、その国が新しい名前を提出してリストに追加します。
これは「大災害を思い起こさせる名前を繰り返さない」という国際的な配慮です。
これまた大相撲の「止め名」に似ています。
ちなみに、相撲の場合は明確な基準はありませんが
ずば抜けた成績を残すとその力士の四股名は止め名となり
その後使われなくなるようです。
話が反れました。さて台風です。
日本は報道で「台風◯号」と呼ぶのが主流ですが、
国際的には「Goni」「Maria」といった名称が用いられます。
両方を知っていると、台風をめぐるニュースをより深く理解できるはずです。
2015年台風15号Goni(島を覆った未曽有の暴風)
2015年8月、石垣島は観測史上最大級となる台風15号Goniに直撃されました。
最大瞬間風速は71メートル。
これは「人が空を飛べるかもしれない」
と本気で思わせるレベル(もちろん試してはいけません)。
市内各地で深刻な被害が発生しました。

- 車両の横転:駐車場の車が次々に横転。まるで神の見えざる手が悪戯をしているかのよう
- 宿泊施設の損壊:ホテルの窓ガラスが破損し、館内まで風雨が吹き込む被害が確認されました。「オーシャンビュー」が文字通り「部屋の中までオーシャン」に
- 電力・通信障害:電柱の倒壊により約22,600戸が停電、島全体が暗闇に包まれ、通信も断続的に途絶
- 住宅被害:窓や屋根が破損した住宅が多数
- 倒木・街路被害:道路をふさぐ倒木が相次ぎ、復旧作業に長時間を要しました



この台風は「恐怖」と同時に「記憶」に深く刻まれ、
以後の防災意識を高める契機となりました。
他の主要台風の概要
先ほどの年表と重複しますがあらためて。
2018年Maria(マリア)
サトウキビやパインが壊滅的打撃を受け、
農業被害額は1.4億円超にのぼりました。
農家の生活基盤を揺るがす深刻な影響でした。
2019年 Mitag(ミートク)
石垣ー与那国間の光ケーブルが同時に2か所断線。
島全体で通信が途絶し、行政・医療機関を含む社会機能が一時的に麻痺しました。
現代社会において「通信断絶」がいかに致命的か、改めて思い知らされた出来事です。
2021年 Chanthu(チャントゥー)
停電に加え、台風対策中の高齢者が転落し重傷を負いました。
自然災害は準備中の事故を含め、人的被害を伴うことを改めて示した事例です。
2023年 Khanun(カーヌン)
島内約2,500戸で停電が発生。
信号停止や交通混乱により観光客が足止めされ、観光業にも影響を与えました。
石垣島と台風文化
石垣島の人々にとって台風は、
脅威であると同時に、生活や文化を形づくる存在でもあります。
停電や農業被害に耐え、復旧作業を繰り返す中で、
住民は自然との共生や備えの重要性を学んできました。
台風は恐怖を与える一方で、
地域に「備えの知恵」「語り継ぐ物語」「文化としての耐性」を残していきます。
石垣島に暮らすということは、この自然の猛威を含めて共に歩むということ。
その現実を受け止め、未来に備えることが、
島に生きる人々の知恵であり、そしてちょっとした誇りでもあるのです。
台風シーズンになると「今年も来るか」と身構えつつ、準備を整える。
それが石垣島の夏の迎え方と言えるかもしれません。
石垣島に訪れる方々が、旅本来の価値を高めていただけるように。
私たち石垣島レンタカーInformationは
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そんなことを探求しています。