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石垣島の文化体験:旧盆にだけ見られる伝統行事「アンガマ」って?

おーりとーり!八重山HUBレンタカーのまどぅちです。
石垣島の夜、旧盆の季節になると、太鼓の音と笑い声が静かな集落に響きわたります。
島の人々が一年で最も心を込めて迎える行事のひとつ、それがアンガマです。
観光で訪れた方の目にはユニークで賑やかな踊りとして映るかもしれませんが、その背後には、
先祖を敬い、地域の絆をつなぎ、伝統を守ろうとする深い思いが息づいています。
今回は、そんなアンガマの魅力と歴史、地元の方々の想い、そして観光で訪れる際の注意点をご紹介します。
アンガマとは? ― あの世からの使者が踊る旧盆行事
石垣島や八重山諸島で旧盆の3日間にわたって行われる「アンガマ」は、
あの世からの使者・ウシュマイ(おじい)とンミー(おばあ)が、子孫であるファーマーを引き連れて家々を訪れ、歌や踊りで先祖の霊を慰める伝統行事です。
三線や太鼓で盛り上げる地謡(じかた)や、彼らを支える役としての外交(がいこう)もおり、地域全体で受け継がれています。
📅 旧盆の日程と流れ
旧盆は、以下のように進みます。
- 迎え日(ウークイ):ご先祖様をお迎えする日。
- 中日(ナカヌヒー):ご先祖様とゆっくり過ごす日。
- 送り日(ウンケー):ご先祖様をお送りする日。
- 獅子祭りとトゥズミ(送り日の翌日):夕暮れ時には、仏壇を持たない霊や子孫に歓迎されない霊(悪霊)が活発になるとされ、その霊たちにこの世の厳しさを伝え、あの世(グソー)へ帰ってもらうために獅子祭りが行われます。同じ日に、アンガマを締めくくる納会のような行事トゥズミも執り行われ、旧盆全体の締めくくりとなります。
この一連の流れの中で、アンガマは地域ごとの伝統や特色を色濃く残しつつ行われます。
特に登野城地区のアンガマは歴史が古く、かつてアンガマが廃れそうになったときも「伝統を絶やさない」という強い思いで、地元の人々が細々と守り続けてきました。

🎶 歌と踊り、問答(掛け合い)の魅力
アンガマは旧盆の3日間、それぞれの夜に集落を回りながら、軽快な三線や太鼓の音に合わせて歌と踊りを披露します。
ウシュマイとンミー、ファーマーたちが舞い踊る姿は賑やかで、見る人の心を惹きつけます。
さらに、問答(掛け合い)は観客がウシュマイやンミーに質問したいことを直接聞ける場でもあり、
某夢の国のター●ルトークのような、観客参加型のやり取りをイメージすると分かりやすいかもしれません。
特に登野城(旧名:トゥヌスク)でのアンガマでは、八重山の方言(スマムニ)で問答が行われ、
独特の響きとリズムがその場を一層特別なものにしています。
その場その場で生まれる即興のやり取りが、アンガマの大きな魅力のひとつです。

地元の人々が込める想い
現在アンガマを演じるのは、地元の高校生や20〜30代の若者たちが中心。
自分のおばあちゃんの家でアンガマを披露する機会もあり、踊りながら涙を流す姿も珍しくありません。
「おじいちゃん、おばあちゃんがアンガマ好きだったので、生きている間に見せたかった。きっと空から見てくれていると思う。」
こうした言葉を口にしながら踊る若者たちの姿から、アンガマが家族と先祖をつなぐ特別な時間であることが伝わってきます。
アンガマは単なる観光イベントではなく、地域と家族の絆を感じる神聖な行事なのです。

観光で訪れる際の注意点
アンガマは島の人々にとって祖先を供養する神聖な地域行事ですが、ルールを守れば観光客でも見学することができます!
アンガマを楽しむ際は、次の点に気をつけましょう。
- 日程の確認:毎年旧盆の日程は変わります。最新情報は 八重山毎日新聞 などでチェックを。
- マナーを守る:演者の動きを妨げない位置で見学し、フラッシュ撮影や大声での会話は控えましょう。
- 地域への配慮:会場周辺の路上駐車やゴミの放置は厳禁。静かな立ち振る舞いを心がけましょう。
観光客が節度をもって参加することが、伝統を未来へつなぐサポートになります。

石垣島の魅力と伝統を未来へ
アンガマは、島の歴史・人々の絆・先祖への敬意が交差する象徴的な行事です。
石垣島を訪れる機会があれば、単なる「観光の一幕」ではなく、地域の大切な文化を見守る気持ちで参加してみてください。
その瞬間、あなたも島の物語の一部になれるはずです。
さいごに
登野城でアンガマを見たとき、伝統を守り続けている姿に本当に感動しました。
年々、新しい要素を取り入れて進化している地域もある中、登野城では「昔から変わらないアンガマだね」と言われるように、あえて変えずに受け継いできたことを大切にしているそうです。
それは、単なる習慣を超え、地域の人々の誇りと先祖への深い敬意を感じさせるものでした。
この島の夜風に響くアンガマの笑い声が、これからも未来の子どもたちへ届き、石垣島の魂を語り続けてくれることを願っています。